～たところ ～たばかり

先生たちの間で
「きのう、練習を始めたところです」
という言い方はどうだろうという話が持ち上がった。

＊「ところ」はあることをした直後の時に使い、純粋に時間的なことだけを言っている。「ばかり」は、時間的な範囲が広く、気分的にまだ時間があまりたっていないと思う時に使う－という風に教えてきた。


「ご飯を食べたところです」
「ご飯をたべたばかりです」
どちらもご飯を食べてあまり時間がたっていないことを表す。

「私は日本に来たところです」
これは日本に着いた直後、空港での話のように聞こえる。
「私は日本に来たばかりです」
これは来てすぐでもいいし、1週間後、1か月後、時には1年くらいたっていても使えるかもしれない。

直後をあらわす「～ところです」ではどこまでが許容範囲かと考えてみた。
今食べたところです○
さっき食べたところです。○
「今」と「さっき」この二つは全員文句なく使うが、以下の２文は違和感がある人が多かった。
２時間前に食べたところです。△かな？
今朝食べたところです　×


さて、
「きのう、練習を始めたところです」ですが
「始めた」がちょっと引っかかる。また、練習は毎日続いて行くということも・・・。
今練習を始めたところです
さっき練習を始めたところです。
２時間前に練習を始めたところです。
この辺までは言えると思う。

今朝　練習を始めたところです。△か
昨日　練習を始めたところです。これも△
先週　練習を始めたところです。△
先月　練習を始めたところです。×？
例えば「今学期の練習は始まっていますか」という問いに対して練習を始めた時期を客観的に言う言い方として使えるような気がするという人が多かった

＊「ところ」は直後のことに使う。純粋に時間的なことだけを言っている。「ばかり」は、時間的な範囲が広く、気分的にまだ時間があまりたっていないと思う時に使う
という基本を押さえることは大事だが、それにあてはまらない表現が確かにある。


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私たちは日本語を教えるかたわら、教科書作り、日本文化の紹介等の活動もしています
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コメント 3

新米の日本語教師です。どの説明を見てもいまいち自分の中でしっくり来ませんでしたがこちらの記事を読んで納得できました。ありがとうございます。
by はるか (2018-08-19 01:21) 

この比較について、わたしもあれこれ悩みました。たぶん

＊＊、練習を始めたところです。
の表現は、まずは始まったという状況とその時期を伝えて、練習はこれから進展する、という意味を含んでいるように思います。

＊＊、練習を始めたばかりです。
の表現は、まだ時間があまり経過していないので、練習がまだ進展していないことを伝えたい、という意味を含んでいるように思います。

ところです、のほうがより客観的ですが、時間だけを伝えるのなら
＊＊、練習を始めました。
で十分ですね。
ところです、にも気持ちが入るので、多少時間の範囲が広くなっても許容されるのかもしれません。
by えちけ (2018-10-14 23:32) 

「練習を始めたところです」
は、ちょうど今練習を始めた、というように思えます。
これに「きのう」と過去を示す言葉がつくため、違和感が出る、ような気がします。

もう少し考えてみたところ、
〇〇ところ、××
は、○○と××が同時、もしくはほぼ同時であることをあらわすから、
「です」と現在形になっていることで「練習を始めたところです」
が、ちょうど今練習を始めた、というように思える、のかなと思います。

「きのう、練習を始めたところでした」
はとは言えるような？

by 凪 (2020-07-16 03:33)