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妙齢の高齢化 [日本語教育]

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「50代とおぼしき妙齢の白人女性が機内で席につくと、
彼女は自分の隣が黒人男性であるという事に気がついた。・・・・・・・・」
このあと女性は黒人と隣り合わせになりたくないとごね出し、それをフライトアテンダントが黒人乗客をファーストクラスに移動させることでさばいたという話、
話としてはいいのかもしれないが
出だしの「50代とおぼしき妙齢の」でひっかかってしまった。

私は妙齢というのは「20歳前後」、最近は「20代後半」くらいまでかなと思っていた。だから、「50代とおぼしき妙齢」というのは矛盾した言い方だと思った。
でも、調べてみると最近は「妙齢の高齢化」が進んでいるそうだ。
辞書には「壮年以上の人や男性から見た女性の結婚適齢期」とある。結婚年齢が上がっているのだから、30代なら「妙齢」といえるようだ。

ある例文では「30代の男性が酒に酔って『年上の妙齢の女性に介抱されたいな』といった」とあった。この妙齢は40代ということになる。
近年の雑誌記事における「妙齢」の用法 ─ 『週刊朝日』『AERA』本文データ・ベースを利用して ─ によると20歳前後から60代くらいまでの用例があった。たとえば、阿部首相が「妙齢の女性からテレビで見るより若いね」といわれたとあるのは60代ぐらいの女性で多分リップサービスであるとか。

もともと妙には若いという意味はない。絶妙とか妙なるというプラスの意味で魅力的な女性の年齢を表すなら年齢の幅を広く用いることもできるかもしれない。また、奇妙とか微妙とか妙なという意味で怪しげな女性の年齢という意味で使っている人もいるかもしれない。初めはユーモアのつもりで使っていてもそれを聞く人読む人が正しい使い方だと思って、使い方が変化していったのだろう。

「50代とおぼしき妙齢の白人女性」は後半の文からしても、決して魅力的であるという意味では使われていない。それでは怪しげな年齢??。この使い方に違和感を感じる人が少なくなっているのだろうか。


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