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~つつ  [日本語教育]

TRY N2 (中級の文法)で「~つつ」がでてくる。
「ながら」との比較を聞いてくる学生の質問に答えながら、もう一度整理してみた。

動詞の連用形につき、前件と後件が並行して矛盾なく行われるときに使われる。「「台風は速度を速めつつ、東に進む」のように使う。「~ながら」と同じように使われるが、より硬い文章的な言い方。後件の方に重点がある。

*庭を眺めつつ、物思いにふけった。
*けがをした足をかばいつつ、最後まで走り続けた。

「~ながら」を勉強しているので、使い方はそんなに難しくはない。

しかし、「~つつ・~ながら」の成り立ちは違う。
「~ながら」はもともと「涙ながら語る」などのように「~と一緒に」の意味だった。~の部分に動詞を入れると「生きながら埋められた」などのように「~したままで」という意味になり、そこから「~つつ」と同じく同時に進行するという意味になったそうだ。

「~つつ」の~には動詞しか入らないので「涙ながら」「幼いながら」を「涙つつ・幼いつつ」のようにに置き換えることはできない。

「つつ」にはもう一つの「~つつある」という使い方がある。その動作・作用が今も続けて行われていることで、「国民生活は向上しつつある」「体は回復しつつある(少しずつ回復していっている)」「古い風習はは消えつつある(少しずつ消えていっている)」のように使う。
これは「~」に動詞のます形が入るので「ながら」には置き換えられない。




。。。。。。。。。。
「~つつ」も「~ながら」も逆説の使い方がある。「~つつも」「~ながらも」というように「も」を入れると逆接であるとはっきりわかる。
もとまとは並行動作なので、逆説の意味はないのだが、条件によって逆説の意味になる。
すまないと言いつつ(も)、お金を借りていった。(逆接)
すまないと言いつつ、頭を下げた。(順接)
失敗を重ねつつ(も)、実験を続け、大きな成果を上げた。(逆接)
失敗を重ねつつ、まだ実験を続けている。(順接)

*逆説の文には「うそと知りつつ」、「いけないと思いつつ」など、
心の葛藤を表す文が多い。
悪いと知りつつ(も)、人のものを盗んでしまった。
医者に行かなければ、ならないと思いつつ、忙しくて行っていない。

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