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訪ねる 訪れる [日本語教育]


中級へ行こう10課での質問
訪ねると訪れるの違いを中国の学生が質問した。

中国と日本は同じ漢字を使っていても違う意味を表すことが多い。
読み方の違いに注目したのは、さすが真面目な学生だ。

「訪」を中国語の辞書で見ると、友達などの家を訪問する意味と、出向いて調べる・求める(何かを調べたり求めるために出向く)の意味がある。

日本語の辞書(新明解)では
「訪ねる」
同じ音で尋ねるという字がある。①どこにあるか探す。調べて明らかにする。②わからないことを人に聞く。③訪問する。これが訪ねる。
中国の使い方に近い。

それでは、「訪れる」はどうか。
訪問する。便りをする。季節が来る。ある時期や状態になる意味の雅語的表現となっていた。(たそがれ、平和、転機、絶好のチャンスなどが訪れる。
この使い方は中国語にはない。

まとめとして学生に示したこと。
1、「訪ねる」」は目的や意志をもってすることなので主語は人しか使えない。
私を訪ねて人がきた○ 
京都の古寺を訪ねる○ 
平和が訪ねる×
2、「訪れる」の主語はは人でも事柄でもいい。目的や意志は強くない。
私はぶらりとある街を訪れた○
彼は先生の家を訪れた○ 
彼は先生を訪れた×(先生に会ううという目的があるので先生を訪ねるになる?)
春が訪れた○ 
ふいに沈黙が訪れた○
  
質問がなければするっと行ってしまうところだ。いい学生たちだ。

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