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知らなかった言葉④ 釋奠(せきてん) [日本語教育]

先のブログで「風花や をろがみ申す 山の神」という山口 青邨の俳句を載せて
「をろがむ」について書いた。

調べているうちに「をろがむ」の深い意味が分かった。
昔の農村の言い伝えでは、春は山の神が里に下りてきて田の神になって農業を守る。収穫が終わると山に帰って行くと言われていた。
風花は風花(かざはな、かざばな)は、山などに降り積もった雪が風によって飛ばされ、小さな花のようにちらちらと降る現象のことで、冬の始まり。
先の句は山の神様に感謝して拝み、お見送りをしている情景だったのだ。

もう一つ難しい言葉。
今回の旅で、(桐生へ行く)両毛線で足利市を通った時、「次回は足利学校へも行ってみたいね」と友達と話した。その3日後、テレビで足利学校のニュースをやっていた。
釋奠(せきてん)という難しい字の行事だ。足利学校(国指定史跡、日本遺産)で毎年11月23日に開催される、孔子とその高弟をまつる儀式で、現在は、東京の湯島聖堂など全国でも数ヶ所だけに残っている大変珍しい行事だそうだ。

釋は釋迦の字と同じで、読みはセキとシャク、この場合は「置く」つまり供え物をするという意味。
奠は酋長の酋の下に大が付いた字で、読みはテンとデン、やはり「置く」つまり神仏の前に物を供える意味だ。
つまり、昔の聖人をお祭りする意味になる。孔子祭りとか言ってくれるとわかり易いが、有りがた味がないかもしれない。

大本の中国では簡体字で释奠、一時衰退していたが、最近見直され復興しているようだ。

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