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蓋し(けだし) [日本語教育]


知っていても何となく使いにくい言葉がたくさんある。

蓋しがその一つ。
「夜半の風、蓋し強し・・」の文面で覚えたような気がするが、何の文だったか記憶にない。
意味は「夜半には、風が強くなるだろう」というような意味だろうが、普段、自分では「蓋し」は使わないと思う。

【蓋】  [音]ガイ(慣) [訓]ふた おおう かさ けだし

【蓋】は大きく二つの意味がある。
1、かぶせる意味
[音]ガイ(慣) [訓]ふた おおう かさ けだし
① 上から覆いかぶせる。「蓋世」
*「史記」項羽本紀の「力は山を抜き、気は世を蓋(おほ)う」から。「かいせい」とも読む。
  世をおおいつくすほど意気が旺盛なこと。功績や名声などが大きいこと。

② 覆い。ふた。かさ。「円蓋・口蓋・頭蓋(ずがい・とうがい)・天蓋・無蓋・有蓋」
*口蓋、頭蓋など、介護の学生たちが苦労して覚えなければならない字だ。

2、 文頭にかぶせて、推測することを表す語。おもうに。けだし。「蓋然性」
*その要件が発生する確率が高い要件。蓋然性が高い、低いであらわす。
 蓋上世嘗有不葬其親者(孟子)<思うにはるか古の時代親が死んでも葬らなかった>
 与会者蓋一千人(現代中国語辞書の文例から)<参加者はおよそ千人>
中国語にあったこの意味に、「けだし」という日本語をあてたのだ。

「蓋し」は確率が高い、でも、100パーセントではないときに使う。
「新明解」には「十中八九間違いがないだろうという、主体の見込みを表す」と本当に明快な説明があった。

わたしは可能性が高いが100パーセントではない時、冗談めかして「たぶん、きっと、おそらく」などと重ねて言うことがある。これを「蓋し」と使えばいいのだろうが・・・。

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私たちは日本語を教えるかたわら、教科書作り、日本文化の紹介等の活動もしています
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