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弥栄(いやさか) [日本語教育]

今日は天皇陛下の「即位礼正殿の儀」とのことで、朝から天気も気にしながらテレビをちょくちょく見ていた。儀式の始まるころには雨が一時止み、都心では虹も出たとか。
儀式も荘重にかつ華やかに行われ、普段とはちょっと違った形で「日本」を意識した一日だった。
天皇陛下の宣明は分かりやすい言葉だったが、安倍首相の祝辞の終わりにあった「ここに令和の御代の平安と皇室の弥栄をお祈り申し上げます」がひっかかった。
弥栄が意味は分かるが、やはり使ったことがない言葉だ。子供時代に祖母が使っているのをなんとなく聞いた覚えがある。
「いやー、ますます栄えていくように」というような受け止め方をしていた。
弥栄を今回調べてみた。

そもそも「弥」は、「弥生時代」とか人名の「弥生」でしか使ったことがない。
今回、漢和辞典で「や」や「いや」で引いても漢字が出てこない。
弓偏で探すと「弥」意味は「いよいよ」、読みは「ビ と シ」、元の字は彌とあった。弥栄は、うちの漢和辞典には出ていなかった。

彌をひくと「いよいよ、ますます」の意味があり、読みは「ビとミ」。
そうだった! 阿弥陀如来、弥勒菩薩では「ミ」の読み方だ。
彌生は3月の意味で読みは「ヤヨヒ」。
これにも「弥栄」は載っていなかった。
ネットでは載っていたので、単にうちの辞典の問題なのだろう。

中日辞典で
弥→彌 発音は「ミ」、「いよいよ。ますます」の意味があった。


更に大きく栄えるようにという意味の和語の「いやさか」を漢字で「弥栄」と表記するようになったのだろう。
確かに「弥栄(いやさか)」は、今日のような儀式の場合に使うとしっくりくる。
「会社の弥栄を祈念し…」とか「ご両家の弥栄を祈り」など、大事な節目での挨拶にもつかえるが、ほかの言葉とのバランスが大事だ。

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