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身の丈発言 [日本語教育]

「2020年度から始まる大学入学共通テストで活用される英語の民間試験について、住む場所や家庭の経済状況によって不公平が生じないか――。との質問に、萩生田大臣は「『あいつ予備校通っててずるい』というのと同じ」などと反論。高3で受けた2回までの成績が大学に提供されることを踏まえ、生徒の境遇により本番までの受験回数に差が出るのを認めた上で、「身の丈に合わせて、2回をきちんと選んで勝負してがんばってもらえば」と述べた。
受験生や教育関係者から憤りの声が上がり、28日、謝罪に追い込まれた。」という記事。

「身の丈に合わせて」という言葉自体は悪い言葉ではない。「自分の収入や年齢を考えて身の丈に合った生活した方がいいと」か、親が子供の成績を見て「身の丈に合った学校選びをした方がいい」とアドバイスするのはありうる。
しかし、学校の先生からいわれたとしても、カチンとくると思う。つまり、他人から言われると馬鹿にされたような嫌な感じがする言葉だ。だから、他人に対して言う言葉ではないということは、普通の大人なら分かっているはずだ。まして、大臣が国民に対して言う言葉ではないだろう。生徒の境遇によって、受験の際の不公平が出てしまうのが今の世の中だ。いつの世もそうなのだろう。しかし、受験をできるだけ公平で平等な条件でできるようにするのが、教育に携わる者の立場なのに、それを考えていないように思える発言だったので問題になった。

似た言葉に「身の程を知る」「分をわきまえる」がある。
「身の程を知れ」「分をわきまえろ」
この二つの方が他人から言われると、もっと嫌な感じがすると思う。自分の能力、境遇(はっきり言えば身分)の限界を知って、それに合った行動をしろ。でしゃばるなという雰囲気があるからだ。
しかし、これを「身の程を知ろう」「分をわきまえよう」と自分に向かっていえば、一つは出しゃばったことはしないようにしようと考えることだが、もう一つは、今できる最善の事をするために、冷静に自分の能力の足りないところは何か考え、それに対して対策をねるというという積極的な考え方にも切り替えられるだろう。

何れにしても、試験のやり方がころころ変わると、今、身近に受験生がいる人たちは、気が気でないと思う。

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