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髪 [日本語教育]

  IMG_20200216_164356.jpg近くの理髪店には大きな「髪」という字の看板が出ている。何時も見るたびに、昔の整髪料のテレビコマーシャル「髪は 長ーい、友達」というのを思い出す。「整髪料で髪をいたわって、一生大事に付き合っていこう」というような意味だったと思う。

最近「髪」に何故「友」という字が入っているのか、気になってしまった。コマーシャル的にはいいが、ちょっと、不思議な組み合わせだと思った。

最近買った「漢字源」は、漢字の成り立ちが詳しくて面白いので、ちょくちょく開いている。
髪を引いてみると、やはり。常用漢字の「髪」は俗字で、髪の旧字は「髮」だった。

旧字は、形声。「髟(ヒョウ))と、「音符の犮(ハツ)」とから成る。
「髟(ヒョウ)」は会意、左側は「長い髪をなびかせる人の形」右側は「髪の毛」やひげの形を表す。そういえば、右側の三本の線はコマーシャルでも髪の毛の一本一本を表していたなあ。

そして音符犮(ハツ)、これは「跳ねる、開く」意味だそうだ。 そういえば、妖怪が跋扈(ばっこ)するなどという言い方があった。妖怪が我が物顔に飛び跳ねる様子。
犮(ハツ)という字自体、犬が斜め跳ね上がる形を意味し、それから髪の毛が勢い良く生えてくるイメージもあるようだ。

犮(ハツ)の字の中の点が常用漢字を決めた時にとられて「友」という字になってしまった。常用漢字で意味が分からなくなった字はほかにもたくさんある。
常用漢字は漢字の成り立ちを無視して、簡単に書けるように直したようだが、漢字をつまらなくわかりにくくしたのかもしれない。
前にこのブログ「藝と芸」に書いたことを思い出した。
https://nihongokichijoji.blog.ss-blog.jp/2017-11-10かみ


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