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招堤 寺 [日本語教育]

「孝謙天皇の遺言」という本を読み返した。日本初の図書館 芸亭(うんてい)を作った石上託嗣の話で前にも「芸亭」の読み方の事をブログに書いたことがある。

今回気になったのは唐招提寺の「招堤」についてである。招堤はサンスクリット語から来ていて四方の意味、転じて僧房、寺院の意味になったとあったのが気になった。

子供のころ「日本には仏教が伝わっていたが、その内容は不完全なものだったので朝廷は中国に戒律を与えることができる僧を送ってくれるように頼んだ。それに応えて鑑真和上が何度も遭難しながらも日本に来てくれて東大寺戒壇院で戒律を与えた。のちに唐招提寺を建てた。」ということを教わったのを思い出して、自分の勘違いに気が付いた。
そのころから、唐招提寺は唐から、「招待した、招来した」御坊様が建てた寺だから、唐招提寺なんだと思い込んでいた。「提」は何なのということになるが、提供とかあるから、お坊様にさしあげたとかうっすらと思い込んでいたような気がする。


鑑真は東大寺に5年間住んだのちに、故新田部親王(天武天皇の第七皇子)の旧宅を賜り、そこを「唐律招堤」と称し、戒院として教学の場を営むことになったそうだ。
「とうりつしょうだい」という言葉は昔見た「天平の甍」という映画の中のせりふで鑑真役の俳優さんが「とうりつしょうだいと名付けよう」とか言った時、「なんだかさかさまの言い方だな」と思ったことをふと思い出した。

今回それが全部はっきりした。
大元はインドのサンスクリット語から来ていたんだ。
〈梵〉caturdiśaの音写「招闘提奢」の略。四方の意》仏教で、寺院。道場。
もともとは拓闘提舎(又は奢) それが誤写されて「招闘提奢」となって省略形が「招堤」<学研新漢和大辞典>拓提であったが招堤と誤写された とある。

中国語のサイトには 「招提者讹也,正言拓斗提奢  
梵语 catur-dis/a,巴利语 catu-disa。音译拓斗提舍。又作招斗提舍。北朝魏太武帝于始光元年(四二四)造立伽蓝,名之曰招提,国人遂以招提为寺院的别称,此称呼亦传至韩国和日本。
とある。招堤は北魏の時代から間違えた「招堤」のほうが定着していて、日本や韓国に伝わっているわけだ。

招堤は「寺」の意味で使われているのだが、唐招提寺には、孝謙天皇直筆と言われる「唐招提寺」の額も掲げられているそうだ。唐寺寺はおかしいので、唐のお坊様がいらっしゃるお寺」という意味になるのだろうか。

寺と招堤の関係についても調べてみたくなった。

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