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あげく [日本語教育]

N2の文法に「あげく」がある。
漢字では「挙句」と書く。
連歌=平安、鎌倉時代から始まった複数の人で続けて歌を詠んでいく遊び。「発句」5.7.5で始まり、7.7~5.7.5を繰り返してつないで行き、最後の「挙句」7.7で終わるところから、いろいろやって最後に~になったという意味の「挙句」が生まれたと言われている。
普通に考えると、その連歌の最後のまとめになる「挙句」だから、何かいいことでまとめそうな気がする。また、古語辞典には「最後に」という意味しか載っていなかった。

しかし、連歌と離れて、「あげく」が使われるようになり今では「挙句」「あげく」の使い方は現在では「いろいろやったが最後に悪い結果になった」という使い方が正解となる。N2の問題でも答えはそうなっているし、「新明解」にも「いろいろことをして最後に行きついた(好ましくない)結果」と載っている。我々教師も学生にはそのことをしっかりと教えてきた。



今回、パワポ教材のねた探しでネットを検索していたら、「このチケットは6時間(じかん)並(なら)んだあげくにやっと手(て)にいれたものだ。 Sau 6 giờ xếp hàng thì cuối cùng đã kiếm được chiếc vé này.」という文が「あげく」の説明の一番に載っていたのでびっくりした。ベトナム語だと思うが、学生に勉強しやすいように説明と例文をたくさん上げていたのでベトナム人の先生が作ったサイトだろうと思う。

単に間違えたとは思えないねと仲間の先生たちと話した。言語によっては「最後に」だけの意味を表す場合もあるかもしれない。時間がある時にベトナム人の知人に聞いてみたいお思った。

より一層「あげく」の使い方をしっかり教えないといけないとも思った。

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