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~たとたん [日本語教育]

「~たとたん」
を教えた後で、宿題に短文づくりをさせた。
●テストが終わったとたん(         )
ほとんどの学生が、「教室がうるさくなった」とか「教室を飛び出した」などの文を作ったが、ある学生は「楽しくなった」と書いた。

「テストが終わってほっとして楽しい気持ちになった」という意味なのだろうが、
「テストが終わったとたん楽しくなった」は、おかしい文だ。
しかし、なぜ、おかしいのか説明しようとすると、結構難しいと思った。

日本語教師にありがちなのだが、学生の文を読んで最初ちらっと違和感をおぼえても、何度が読んでいるうちに、その文がよさそうに思えてくることがある。
今回もそれで「ちょっと変だけど、試験が終わってほっとして楽しくなったということを言いたいのかな、でも、楽しいというのは少し時間が必要だから何かおかしいな」と考えてしまった。

文法書やネットで調べてみた。
~たとたんの説明には:何かが起きた後すぐに次のことが起きる。

そして
「後半は予期しなかったことが述べられるから当然のことには使えない」
「後件に意志を表す文や命令文はこない」
「後半はマイナスな事・瞬間的な変化が多い」。
「前半と後半には何らかの関係性がある」
「とたんに」は話者にとって予想外の出来事が起きた時に使うので、過去形の文章にしか使われない」
等の注が載っていた。

「楽しい」に関連するのは「予期しなかったこと」と「瞬間的なこと」だろう。
予期しなかったこと:「さわったとたん爆発した」とか「箱を開けたとたん何かが飛び出した」などを言うのだろうが、今回の場合「試験が終わったとたん教室が騒がしくなった」のように予期しなかったことでもなくても使えるから、これは説明には使えない。
「瞬間的なこと」:楽しいと感じるにはしばらく時間がかかるので、この理由で楽しいが使えないというのがわかりやすいかもしれない。これで説明することにしようと思った。

(しかし、瞬間的というのは心理的な意味もあるらしく、「彼は有名になったとたん、態度が大きくなった」というような使い方もある。)

間違った文を作ったときの説明にこちらが四苦八苦することもあるが、学生に文作りをさせるのは大事だ。

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私たちは日本語を教えるかたわら、教科書作り、日本文化の紹介等の活動もしています
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