半面と一方

完全マスターN2の第3週6日目には、反面と一方を教えるが、いつも、難しいなと思う。

「反面」の時は円を半分に塗り分けた図を見せて、「一つのものの別の面を説明するときに使う」と言っておく。
・パソコンは便利な反面、トラブルも多い。
・お母さんはいつもやさしい反面、怒るととても怖い。
・就職できてうれしい反面、一日中忙しくて大変だ。
「全件も後件も同じ主語、その主語の持つ別の面を説明する」という説明をする。

「一方」の時は　色の違う二つの円を並べて、
「二つの事が同時に成立している」と言いたい時に使うと説明する。
・日本に住むことができてよかったと思う一方、ミャンマーが恋しくなる時もある。
・兄は運動が得意だ。一方弟は運動が苦手だ。
・インターネットは便利な一方、使い方に気をつけないと危険に巻き込まれることもある。
・母は、会社勤めをする一方、ボランティアの仕事もしている。


反面と一方は入れ替えるものもあるが、入れ替えられないものも多い。
・日本は、今夏なのでとても暑い。一方南半球は、冬なので寒い。
別の場所を比較しているので「反面」ではおかしい。
・母は、会社勤めをする一方、ボランティアの仕事もしている。
これも、反面には入れ替えられない。同じ母だが、別の活動をしていることを言うからだろう。

「彼は優しい反面厳しいところもある」
同じ彼の二つの面だから、「一方に」変えることはできない。
しかし、「彼は教え子をやさしく指導する、一方で自分にはとても厳しい」というように彼の行動であれば「一方」の方がぴったりくるような気がする。

「一方」と「反面」を使って文作りをさせようと思ったが、なんだか説明がつかないような文が出てきそうな気がしてやめることにした。

反面と半面も気になるところだが、完全マスターN2の第3週6日目にはさらっと併記してある。
調べてみると普通には反面を使うのに新聞用語では半面が正式、反面は「反面教師」などの特殊の場合しか使わないそうだ。
日本語的には「反面」だと思うので、学生にはここは「半面」と書いてあることもあるくらいの説明にしておこうと思った。


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