近づく 近寄る [日本語教育]
日本語総まとめ 語彙 N2 1週5日目
船を岸に近づける → サメが近づく 近寄る という言葉が出てきた。
自動詞他動詞の違いだけではないようだ。
まず「近づける」(他)人が何かをど何かに近づける
(船長が)船を岸に近づける/(私が)目を本に近づけて読む/(彼は)外部の人を近づけない
「近づく」(自)どこか/何かに 近くなっていく
サメがこちらに近づいてきた/船が岸に近づいていく/社長に近づく(人間関係を強くする意味もある)/卒業式の日が近づく/台風が日本に近づいてきた
「近寄る」(自)何か/どこかの近くまで行く 主語は人間か動物または意志があるように見えるもの。
あやしい船がこちらに近寄ってくる/サメが近寄ってきた/名前を呼ぶと犬が近寄ってきた/細かい彫刻を近寄って見た/反対派の人に近寄っていく
卒業式の日が近寄ってきた。 ×
台風が日本に近寄ってきた。 ×
これらは主語が意志のある物でないので×
ここで 「近寄る」と「近づく」はどう違うか気になった。「寄る」の方が距離が近いような気がする。「寄る」には「しわが寄る、寄る年波」などの様に重なる意味も含むからより近さを感じるのだろう。
サメが近づいてきたときは気を付けて! 近寄ってきたらもう危ないかもしれない。
しかし、「寄る」にはものの近くに行く場合と別の使い方がある。
「太平洋の中でハワイ島はアメリカ寄りだ」というように境界線から少し一方に寄っている意味だ。「野党よりの考え方」は少し野党に近い考え方。
「近寄る」は、そのものの近くに行くということ。
(辞書を見ると「寄る」には、まだまだいろいろな意味がある。)
学生たちには、「近寄る」は動物や人間など意志があるものに使う。「近づく」より、距離が近くなる場合が多いなどと2枚のサメの写真を使って説明しようと思う。
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