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儚い 果敢ない  / 果敢 [日本語教育]



儚いという字は「儚い命」とか「儚い恋」とかすぐに壊れてしまう故の美しさも感じてしまい人と夢の組み合わせで、きれいな字だと思っていた。

しかし、「はかない」には、多くの意味があり、あっけない、たよりにならない、むなしい、さらには古語では、みじめで情けない、とるにたらない、愚かであるの意味まであった。

漢和辞典でも「儚(ボウ モウ 」を見ると儚儚=夢うつつで訳が分からなくなることとある。頼りないというイメージ。
そもそも「夢」自体が「はかないものはっきりしないもの」をいう。古語辞典でも「眠っている間に見る像(予兆として神秘的に解釈されることもある)、不確かなこと」とある。
現代語の使い方としては「実現すればいいなあと思うこと」の意味が入ってくる。私などは「夢の超特急」「オリンピックの夢の舞台」「夢に向かって進もう」などの言葉を聞いて育ったので「夢」にプラスの意味を感じているが。
夢も儚いも実際はマイナスイメージのほうが多いのだ。

また、「はかない」には「儚い」のほかに「果敢ない」という文字があることを知って「えっ」と思った。

果敢(かかん)は「果敢に戦う」=「思い切りよく勇敢に戦う」などという文に使われる。果敢の「果」は「物事の結末をつけるように思い切ってする」の意味があり、「敢」も「敢えて・・・する」だから、「はかない」と「果敢」が今一つ結びつかず不思議な気がした。
考えてみると、「果敢ない」は思い切りの決断が「ない」、つまり、結果もはっきりしない「はかない結果」になるのかな。

今回調べていて 「果敢ない(はかない)」のほかに「果ない(はかない)」の表記があった。
「はか」には次の漢字・・ 捗・(果・計・量をあてる)・・がある。これは稲を植える時の分担区画の意味であり、変じて時間に応じた仕事の進み具合であると古語辞典にあった。「捗(はか)がいく」は進捗がいい、「はかない」はそれが進まないという意味になるということ。つまり、「果ない結果」=「空しい」結果だ。

意味としては分かるが、私はやはり「はかない」は「儚い」の字が好きだ。


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