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ちびた鉛筆 [日本語教育]


「ちびた鉛筆」という言葉を目にした夫が「ちびたってなんだ?」といった。山梨出身の夫は聞いたことがないという。(単に語彙力不足?かも)
私は「ちびた鉛筆をなめなめ、ノートに書いた」なんていう正に昭和っぽい風景が浮かぶのだが。

「ちびる」を新明解で調べてみた。「禿びる」先が擦り切れる。新漢和大辞典では
「髪が抜けて禿になる」「山に木がない」「筆の先が擦り切れる」が載っていた。
「ちびた鉛筆」は「筆の先が擦り切れる」から来ていて「芯がすり減る、または、鉛筆が削られて短くなる」という意味になったとネットにも載っていた。
「ちびる」が「禿びる」と言う漢字であることは、今まで知らなかった(本当に知らなかったことが多くて悲しくなる。)

新明解に、「禿」は「かぶろ、かむろ」と読み、頭に毛が、山に木が生えていない意味。また、「おかっぱ」の意味の雅語とあった。
かむろ.pngそういえば「かむろ」といえば平家物語で、平安京に放たれる平家方の密偵で図のような赤い衣を着ていたとある。おかっぱ頭なのに「禿はげ」という字を使うのが不思議だなと学生の頃に思ったことを思い出した。
あの時代は男女ともに大人は髪が長かったので、子供のおかっぱ頭は髪が短い意味で「禿」になったのだろう。江戸時代の遊廓に住む童女も禿とよばれるがやはり髪が短い=童女というからなのだろう。

「ちびる」は短い⇒少しの意味から「尿を少しもらす」の意味で、そういえば「ちびっちゃった」などと使っていた。今回調べてみたら新明解にこの説明も載っていた。

禿・・「筆が擦り切れる=ちびる」からずいぶん色々な意味に発展したものだ。

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