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かぶりする [日本語教育]

「フェルメールの所縁」の中に気になることば遣いがあった。
「・・・はかぶりをした」
同意できないというところで出てくるので「かぶりを振った」の間違いじゃないのかなというと、この使い方はあるという。

言葉には厳しい人なので、そんなものかと思って辞書を見ると
新明解では
「かぶ」は頭の意味の雅語。「り」は接尾語とあるが意味はよくわからない。(ひとり、ふたりなどのり?)
「かぶりを振る」で不承知の気持ちを表す。・・・とあった。私が思っていたことと同じ。

しかし、古語辞典には 「かぶりする」が載っていた。
かぶり ①あたま ②頭を左右に振って不承諾の意を表す 「稲船の<(否)とかける>かぶり かぶり」とか「かぶりして、それが乳はのまず」③かぶりかぶり 頭を左右に振る幼児の芸 
とあった。
多く否定や不承知を示すときに「かぶりふる」をつかうともあった。

首の場合は<首を縦に振る・・承諾・賛成、 首を横に振る・・不満や不賛成>
と使い分けるが、「かぶりをふる」は不承諾だけだ。

「かぶりして」は否定・不承知だと分かったが、でも、現代小説なのだから「○○は大きくかぶりをふった」って書いたほうがいいのではと思った。でも、彼は自分の言葉遣いに自信を持っているから、たぶん言っても聞かないだろうな。

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