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「○○をくださいまして、ありがとうございます」 [日本語教育]

お歳暮などをいただいた時のお礼の言葉で毎年迷ってしまう。

「○○をくださいまして、ありがとうございます」
「○○をいただきまして、ありがとうございます」
どちらでもいいとされているが、くださいまして=下さいまして の「下」の字を嫌うこともあるらしく、「いただきまして」の方がよくつかわれるようだ。


「○○をくださいまして、ありがとうございます」
「ある人が○○を私にくれた」だからそれに対して「ありがたく思っている」
「あなたが○○をくれてありがとう」→「○○をくださいましてありがとうございます」

「○○をいただきまして、ありがとうございます」
「ある人から○○をもらった」だからそれに対して「ありがたく思っている」
「あなたから○○をもらってありがとう」→「○○をいただきましてありがとうございます。」

元の形で考えると「○○をもらってありがとう」より「○○をくれてありがとう」の方が、正しい形に思える。更に「お歳暮をお送りくださいましてありがとうございます」のように、くださいましての前に、「お送り」が付くと更にいような気がする。

しかし、日本語では婉曲に言う方が丁寧であることが多い。例えば「連絡を下さい」より「連絡をいただけますか」という方が丁寧ないいかただ。ネットでいろいろな例文を探してみたが、「お歳暮をお送りいただきまして、ありがとうございます。」の形が圧倒的に多かった。

何となく割り切れないが、最近は手紙も出さず、電話で「昨日○○が届きました。(お送りいただきましてでも、お送りくださいましてでもない)何時もありがとうございます。ところで~・・・」
とおしゃべりに切り替えてしまうことがほとんどだ(-_-;) 偉そうなことは言えない。

年賀状は手書きで頑張ろう。

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私たちは日本語を教えるかたわら、教科書作り、日本文化の紹介等の活動もしています
私たちのホームページは以下のサイトに引っ越しをしました。。
http://www.tomo2006.net/learn.htm
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ちけん [日本語教育]

今まであまり聞いたことがなかったが、コロナの報道でよく聞かれるようになった言葉に「ちけん」がある。

① コロナウイルス自体の特性やそれを踏まえた予防法について、今まで蓄積された「知見」に基づいてしっかりとした対策を立てていく。
② 新型コロナウイルスに効果的なワクチンが開発され、最終「治験」で有効性と安全性が確認された。

初めは聞きなれないので何かすごいことのような気がしていたが、なんだか最近は食傷気味だ。
① の知見は知識とは違って「見て知る」ということ、今まで知らなかったコロナの病状や感染の状況がだんだんわかってきた。まだわからないこともあり試行錯誤を重ねながら、わかってきたことに基づいて対策を立てるということがよく示されているわけだ。
わからないことが多いからこそ使っている言葉だったのだ。
② の治験も何が効くかわかっていないため、(我が国では軽症患者等を対象に)
実施されている新型コロナウイルス感染症治療薬の試しの投与ということ。

ニュースなどの「知見」の使われ方に、何となくうさん臭さを感じるようになっていたが、もともとはとてもいい意味だということをこのサイトが説明してくれた。
https://career-picks.com/business-yougo/chiken/
「実際に経験しながら知識を得ることで、しっかりとした考えを持つこと」、使い方にも詳しい例文が載っていた。

実際に学生を教える際の問題を解決していく中で日本語教育についての知見を深めたい・・・となるか。

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お座りになって [日本語教育]

すぐお呼びしますので、そちらの椅子に(     )お待ちください。
1, おかけになって 2,お座りして 3,お休みになって 4,おかけして

 JLPTのテストも終わり、いい結果を待っている学生たち。
このくらいの問題なら正解の「1,おかけになって」をちゃんと選べる。
「お休みして」はもちろん、「お座りして」や「おかけして」は敬語にならないので駄目だとすぐわかる。
 しかし、「お座りになって」は言えるのではないかという質問が出てきた。初級では「椅子に座ります」を勉強してきているから当然だ。
どちらも使えると説明したが、「座る」と「かける」の違いが気になった。

元々「すわる」は「坐る」の字で土の上に人がおしりを付けて座っている象形文字だ。中国では早くから椅子が使われていたが、おしりを下につける意味は同じだ。
「かける(掛ける)」は物を上からつるす意味で、中国語では座る意味はない。
日本語の場合「床や畳の上に尻を付け足を組んだり折りたたんだりして座る」のと違って「椅子に尻が載り、足が下につるされる形で座る」のを「掛ける」「腰掛ける」という。

普通の会話では芝生でも椅子でも「ここに座ろう」「そこに座って」と使い、改まった時で、椅子の場合は「こちらにお座りください」より「こちらにおかけください」ということが多いと自分では思う。

「腰掛ける」という言い方があるが、新明解には「足を休めるために、椅子や題などに腰を下ろす」とあり、仮に座るという意味合いで長く座る感じがしない。「この仕事は腰かけだ」などというと、仮の仕事で長くは勤めないという意味になる。今、ここまで教えることはないと思うが、N1の勉強になったら出てくるだろう。

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桁区切り [日本語教育]

ズームで教えているスウェーデンの学生が日本語は桁数の大きい数の読み方がわかりにくいと言っていた。世界的には3桁区切りが一般的なので4桁ごとに字が変わる日本の数字の読み方で混乱するようだ。
漢字で日本語の大きな数を表記したものと英語の表記を比較して表示したけれど、日本では読み方は日本式なのにカンマが英語式なので余計に混乱すると言っていた。

1 one          1   一
10 ten        10  十
100 one hundread               100  百
1,000 one thousand              1000  千
10,000 ten thousand              1,0000 一 万
100,000 one hundread thousand       10,0000 十万
1,000,000 one million           100,0000 百万
10,000,000 ten million             1000,0000 千万
100,000,000 one hundread million      1,0000,0000 一億(いちおく)
1,000,000,000 one billion          10,0000,0000 十億
10,000,000,000 ten billion         100,0000,0000 百億
100,000,000,000 one hundread billion  1000,0000,0000 千億
1,000,000,000,000 one trillion     1,0000,0000,0000 一兆(いっちょう)

言われてみれば、実はわたしも3桁区切りが苦手だ。確か小学校では位取りを覚えた時、桁区切りで習ったような気がする。商業簿記では3桁区切りとも聞いた。私は普通は4桁簿記では3桁という風に認識してしまい、結婚してから何かの折に4桁カンマを打った金額を夫に示して「常識がない」と批判されたことを思い出した。
今回調べてみるとアラビア数字で数を表し3桁区切りのカンマを打つようにしたのは明治時代で福沢諭吉が世界と貿易し交流していくうえで有効だとして3桁区切りを推奨したということがネットに載っていた。しかし、算盤などは4桁の部分に点が打ってある。簿記をやるとき混乱しないのかなと思う。

慣れの問題なのだろうが、ミリオネアを百万長者で覚えるとして、ビリオネアは億万長者と訳されるがそれが十億というのも分かりにくい。新聞などを読むとき以外桁数の多い数に触れない私など、桁数が多い時下から一 十 百 千・・・とつい数えてしまう(*_*;
「カンマ1個目(0が3個)が千、2個目(同6個)が百万、3個目(同9個)が十億、4個目(同12個)が一兆と暗記しておく。」などという覚え方もネットに載っていた。慣れるまで皆さん苦労しているんだろうね。



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