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「ながらに(にして) ながらも ながらの」と「ながらも」 [日本語教育]


「ながらに(にして) ながらも ながらの」と「ながらも」
 初級で「テレビを見ながら、ご飯を食べます。歌いながら、歩きます」などを勉強してきているのでことばを覚えるのは簡単だと思うが、使い方がちょっと。


N1文法で勉強する「ながら」

①  一つ目の「ながら」は そういう状態でという意味。「日本語総まとめ」では
接続として( N na  Aい V(ます×))+ ながらに/ながらの とあった。

N
「涙ながらに真実をうったえた」=「涙を流しながら・・・・」
「昔ながらの製法で豆腐を作っている」=「昔どおりの作り方で・・・・・」
「子供ながらに色々考えていた」=「子供なりに・・・・・」

V
「家にいながらにして世界の情報を知ることができる」=「家にいる状態で・・・・」
「生まれながらの尊い身分」=「生まれつきの・・・」
「生きながら埋められた」= 「生きている状態で・・・・」

A na 形容詞
 これは思いつかない。無いのではないか?本の間違い?×××
(ほかの参考書を見てもみあたらない。)

① の「ながら」の用法はかなり限られていて、慣用的な使い方が多いのでそれを教えておけばいいと思う。


②  二つ目の「ながら」  ~であっても の意味
接続としては( N na  Aい V(ます×))+ ながら/ながらも とあった。
N
「敵ながらあっぱれ」= 「敵であっても・・・・」
A na
「自分の家は狭いながら落ち着く=「・・・・狭いけれど落ち着く」
「残念ながら今回は失敗した」=「残念だけれど・・・・・」 
「貧しいながらも努力して勉強した」=「貧しいけれど・・・・・・」
V
「学生の身分でありながら高級車を乗り回している」=「学生の身分だけれど・・・」
「お金がありながら寄付に協力しない」=「お金があるけれど・・・・」 
「知っていながら教えなかった」=「知っているのだけれど・・・・・」
★動詞は状態性の場合が多い 


※「ゆっくりながら自分でやっていこうと思っている」・・「副詞」だけれど「ゆっくりではあるが」という意味で使えそうな気がする。


① の「ながら」の例文「家にいながらにして世界の情報を知ることができる」は
バーチャルリアリティーの世界では「家にいながら世界を見て回れる」これは②のながらにならないか? わからなくなってきた。

その大本は初級の同時進行の「ながら」だから、その感覚をつかんでおけばわかりやすいかもしれない。

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がたいがいい [日本語教育]


ウォーキングをしていたら、後ろに高校生の集団がいて大声で話していた。「彼はガタイがいいから試合の時でも云々」みんなが知っていて普通に使っている言葉のようだ。でも、私にとっては最近知った言葉だ。娘も聞いたことはあるけど自分では使ったことがないという。友達では知らない人もいた。

「図体が大きい」、「体格がいい」という意味だと思うが、「がたい」とは何なのだろうと思って調べてみた。
新しくはやり始めた言葉というわけでもないようだが、漢字はないようだ。
「新明解」などの手近な辞書には載っていない。
広辞苑には「かさ 図体の意味とある。日葡辞典に「ヲウキナ の意味で ガカイ(これは漢字がなくてひらがな語)」とあり、それが語源であるように書いてあった。「ガカイ→ガタイ」の発音の変化は何となく無理があるように感じられる。


「図体」の「図」には並みの程度を超えたという意味がある。「図抜けた(頭抜けたとも書く)どちらも他より抜け出しているという意味」だから、「図体」で大きな体をあらわしている。

精選版 日本国語大辞典「図体」の解説
ずう‐たい【図体】
〘名〙 (「胴体」の字音の変化した語という) 人や動物のからだ。なり。すがた。体格。ふつう、「大きなからだ」の意味をこめて用いる。また、建造物などにもいう。
※洒落本・通言総籬(1787)

ネットには「ガカイ→ガタイ」その他にもいろいろな説があったが
「ガタイ」の語源はいまいちはっきりしない。
単純に考えて「図」→「画」 「図体(ずうたい)」→「画体(がたい)」の変化ではないのだろうか?安易かな。

それにしても、私の知り合いで「ガタイがいい」という言葉は知っている人でも、自分は使わないという人ばかり、やはり若者言葉なのだろうか?


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ぶれる ぼやける ぼける かすむ [日本語教育]


ぶれる ぼやける ぼける かすむ 

まとめて出てくると大変なようだが違いと同じところをまとめて学べるのでいいのかもしれない。
写真を撮っている場面を想定して、シャッターを押すときにカメラやスマホが揺れると、写真の映像が少しずれて写る。こういう状態が「ぶれる」・・画像が重なったように見える。今では、手振れ補正の機能が付いたスマホカメラもあるようだが。

ぼやける・ぼけるは。動かした際に焦点がずれて鮮明でない画像になることをいう。焦点があっていない写真を見た時は「この写真ぼけてるね」、「ぼやけてるね」という。「ぼける」ほうが「ぼやける」よりも不鮮明な感じが強いようだ。

「ぼやけた写真」というのは焦点があっていない写真だが、何を撮りたいのかが明確でない写真のことも言うことがある。同様に、文章や講演などでも内容がはっきりしない場合、内容が「ぼけている」「ぼやけている」を使う。
痴呆症になったとき「ぼけた」「ぼけている」を使うのは認識や判断がはっきりできないという意味からきている。

「かすむ」はピントの問題ではなくて、霧のようなものに邪魔されて見えにくくなっている状態。「霧にかすむ山々」、「霧にかすんで見えない」など。白内障のように目の内部が濁ってしまう時も目がかすんで見えにくいということになる。

チェックテストで、どの言葉が使えるかと聞いてみようと思う。
・彼女の写真を撮ったときカメラを持つ手がふるえて画像が(ぼけてしまった ぶれてしまった きえてしまった )。

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いただきます [日本語教育]

孫が言葉を覚えていく過程と、日本語学習者が日本語を身に着ける過程は似ているようで違う。「これはN1 だよな」というような言い回しを口もよく回らない保育園児が使いこなしているのを見てなんだかおかしくなってしまうがそれが母語というものだ。
そんな孫も小学生になり英語もかじり始めたようだ。先日いっしょにバスに乗って蛍を見に行く途中で、「英語で『いただきます』は何というの?」と聞かれた。
困った。英語を使う国では、いただきますという言い方はないけど、神様に感謝のお祈りをしてから食べる人もいるといっても、なんだか不満そう。
「let's goって知っている、行こうという意味だよね。 Goを食べるという意味のeat に変えてlet's eat=さあ、一緒に食べよう。でいいかもしれない。」といったら「let's eat だね。でも、おばあちゃんの友達(英語を話す人の意味らしい」にちゃんと聞いておいてね)」と言われてしまった。手ごわい(≧▽≦)
英語圏の友達を訪ねたりして、食事をごちそうになったこともあるが、多分、Please とかいわれて、Thank you  そのあと「いただきます」と日本語で言って食べていたように思う。何か特別な言葉があったように思えない。
ネットで調べても、そんな感じ、今回、孫から聞かれなかった「ごちそうさま」も特になくて「It was so delicious.」かなと言う感じ。
特別な決まった言い方はない。だから、日本語を覚え始めた学生たちはこれぞ日本語とばかり楽しそうに「いただきます」「ごちそうさま」を覚えるのだろう。

「いただきます」は最近色々な解釈がされて「命をいただきます」という意味にもなっているようだが、普段はそこまで深読みしなくてもてもいいと思う。子供の頃、ご飯を作ってくれた母に向かって「いただきます(これから食べます)」「ごちそうさまでした(おいしいごちそうでした)」くらいの気持ちで言っていた。

孫との約束だから、水曜日に教える英語圏の学生に一応聞いてみようとは思う。

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