ら抜き言葉への変化 [日本語教育]
飛行機の待ち時間で「ら抜き言葉」が話題になり、一人が「言葉の歴史的推移からすると、1グループから可能動詞ができるのと同じ流れで「ら抜き言葉」が必然的に生まれるという説がある」といったので、それについて、ああでもないこうでもないとみんなで盛り上がった。
5段動詞 ( 1グループの動詞 )
<辞書形> <可能形 未然形+れる> → <可能形>
話す 話される → 話せる
書く 書かれる → 書ける
飲む 飲まれる → 飲める
行く 行かれる → 行ける
ら抜き言葉
5段以外の動詞 (2グループの動詞)
<辞書形> <可能形 語幹+れる> → <ら抜き言葉>
でる 出られる → 出れる
食べる 食べられる → 食べれる
見る 見られる → 見れる
( 3グループ )
来る 来られる → 来れる
○この変化をローマ字で表すと
5段動詞 ( 1グループの動詞 )
hanasareru → hanaseru
ikareru → ikeru
★ arが落ちる変化
ら抜き言葉
5段以外の動詞 (2グループの動詞) (3グループの動詞)
taberareru → tabereru
korareru → koreru
★ raが落ちる変化
どちらの変化も発音が楽になり、助動詞「れる」の「自発・可能・尊敬・受け身」の四つの意味の中で、可能の意味に限定するという変化である。これから考えると、ら抜き言葉は必然的な変化で将来的には主流になっていくだろうという説だ。
確かに説得力はある。しかし、<可能形 語幹+れる> がいまいちピンと来なかった。
5段動詞のなかで、私たちが違和感なく使えるのは「行かれる」だけだ。「女性一人で行かれるお店」などと使いそうだが、「英語が話される」「この漢字は書かれない」などとは普通使わない。昔の使い方とすれば、江戸時代、明治時代?方言で残っている?
議論が煮詰まらないまま帰国した。
帰国していろいろ調べると、明治くらいまでは普通に使われていたようだ。
また、大阪ことばでは「飲めない」ことを「飲まれへん」、「書けない」ことを「書かれへん」といっているので、方言として残っていることも分かった。
参考ページ例
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2005/0310/033758.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~QM4H-IIM/k000304.htm
http://homepage2.nifty.com/tenb/kansai/bunpo/jodosi/jodosi02reru.htm
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http://www014.upp.so-net.ne.jp/nbunka/learn.htm
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