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ろくでもない [日本語教育]

7月のN1を受けると決めたミャンマー人、介護士をしながらミャンマーから家族ビザで呼び寄せた娘を日本の小学校に入れて育てている。
久しぶりに読解の問題集を彼女とやってみたら、正答率が高い。N2を練習していた時はそんなでもなかったのに。ちょっと一緒に勉強していない間に読解力が上がったねといったら、娘の小学校5年生の授業をサポートしているうちに、なんだか読み取る力が上がったような気がするとのこと。やはり、お母さんは強い?ではなくて、小学校の基本の勉強の仕方が彼女の日本語力を高めたのだと思う。もちろん、並行して自分の能力試験の勉強も怠っていなかったからだとは思うが。
彼女からの提案で、これからは授業ではなくて、わからないことを必要な時に聞くという形に勉強の仕方を変えることにした。

その彼女からの質問「ろくでもない」がよくわからないという。「ろく」の意味は?なんだろうと。確かに、「禄でもない」(これは当て字)などと書いてあると余計にわからないだろう。

「ろく」のもとの漢字は「陸」水平なこと ゆがみがなく正しいこと 物の正しいこと真面目なこと などと広辞苑にのっている。「陸でもない」が元の字だ。それを否定・打ち消す表現が「ろくでもない」なので、まともじゃない・十分にない・たいしたものではないという意味だ。のちに「禄でもない」があてられるようになって、意味とずれたまま漢字が使われるようになった。という説明をしてそのまま覚えるように言った。

「ろくでもない」「ろくなものじゃない」はあっても「ろくだ」「ろくなものだ」の使い方がないのも、わかりにくいのだが。否定形しか使わない言葉はほかにもある。「くだらない」「つまらない」も「くだる」「つまる」はつかわないし、「仕方がない」は使うが「しかたがある」はいわない。これらのことばは、会話でよく使われるので、否定形であるという意識もなく覚えてしまったので気にならなかったのだろう。

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