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・・・だそう [日本語教育]

地域の紹介などをタレントさんがするテレビの番組で、人から聞いたことを伝える時に、「・・・・・・・そう」という伝聞の形を最近よく聞くので、どうも気になる。
例えば「この風習は鎌倉時代から伝わるのだそう」とか「○○を目当てのお客が絶えないそう」などという言い方。
何か落ち着かない感じがして「伝わるのだそうです」「絶えないそうだ」などと、頭の中で補って聞いていた。しかし最近、番組の中であまりにも出現頻度が高いと、それもありなのかなとも思ってしまう。

「そう」には二つある
*様態・・・見たり聞いたりして判断した様態
   (動詞連体形)落ちそうだ 負けそうだ (形容詞)面白そうだ 寂しそうだ
     (な形容詞) 大事そうだ 真面目そうだ 
      *きれいそうだ 美しそうだ ・・・見てすぐわかるものには使わない。
様態の「そう」は、カジュアルな会話では「あっ 落ちそう!」「なかなか 真面目そう」「うわー!重そう」などと、「だ」や「です」を落としていうことが多い。
カジュアルな会話で女性言葉として「落ちそうよ。面白そうよ。真面目そうよ」などのいい方も。


*伝聞・・・自分が直接得たのではなく、伝聞の情報であるということを表す。
     (名詞)あの人は留学生だそうです。 (動詞)物価が値上がりしているそうだ。
    (な形容詞)この靴は丈夫だそうだ。 (形容詞)今年の夏は暑いそうだ。

伝聞の「そうは」カジュアルな言い方としても「あの人は留学生だそうだよ。」「今年の夏は暑そうだね」などと、「だ」を落としていうことがなかった。これが、昨今のテレビに多く出てくる「・・・・だそう」に対する違和感。しかし、女性言葉としては「留学生だそうよ」「今年の夏は暑いそうよ」などのいい方ができる。

女性言葉では、どちらの形も同じだ。女性言葉っぽい「よ」を取ってしまえばカジュアルな言い方になるのかもしれない。

ネットの(毎日ことば)に
「三省堂国語辞典」が第7版(2014年)で「そう」を「『そうだ(助動詞)』の語幹」として立項し、「新作のロールケーキも人気だそう」という用例を載せています。 
という記事があった。

「そう」は定着していくのだろう。
 
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