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~とみられる [日本語教育]

N1合格に向けて介護の仕事をしながら頑張っているミャンマ―の女性。zoomでの個人授業、4人の先生が週一回担当することにした。
総まとめでおさらいをしているが、とても呑み込みがよくて、合格が期待できる。

今日の勉強は
~とみえて / ~とみると。 /~みられる~とみられている
これらはどれも視点が違う。

~とみえて は自分が見てそう判断するとき使う。
 Aさんは忙しいと見えて、この頃電話もしてこない。これは、わかりやすい。
「・・・・・落ち着いて仕事をしている」の前に入れる文として、彼女は「彼女は職場に慣れてきたと見えて」と作文。「今日は暖かいと見えて」の後に来る文として「みんなコートを脱いで歩いている」と作文。

~とみると は判断するのは自分でなくて、話題にあげた人だ。どちらかというと、話題の人を批判的に言う場合に使うことが多い。
彼女は 教科書の例文を読むとすぐに
 彼は相手が若いとみると、偉そうな態度をとる。
 相手が強そうだとみると、すぐいうことを聞く。
などの例文ができた。

~とみられる は客観的な根拠があるとか世の中に人の多くがそう思っているようなこと。会話ではなく新聞や論文などで使われることが多い。
 この地方では今後も大きな地震があるとみられている。
 日本の物価はこれからもっと上がるとみられる。
そこで、「ミャンマーからの留学生は?」と聞いたら「これからもっと増えるとみられる」とさっと答えた。

いくつか文づくりをしながら、説明の例文を自分のものにしてしまったようで、最後の練習問題も難なくこなした彼女、これからも頑張ってほしい。

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私たちは日本語を教えるかたわら、日本文化の紹介等の活動もしています
私たちのホームページは以下のサイトです。
https://ihongo-pc.sakura.ne.jp/learn.htm
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ロシアの学生との授業 [日本語教育]

土曜日の夜はロシアの女性二人とZoomの日本語教室。不思議なことにウクライナ侵攻が始まった週に、「日本語を忘れないように勉強しなおしたい」と、前に日本語学校で教えたロシア人の学生から来たメールから始まったものだ。日本と行き来するのが難しくなると感じたのだと思う。

いつも、楽しそうに熱心に勉強している。安全ということで、連絡にはWhats App使っているが、彼女たちは意識的に政治問題には目を向けないようにしているようだ。ロシアの選挙が始まったが、選挙に行ったのと聞いても、行きませんでしたと答えるだろう。初めの頃ニュースを見るかと聞くと、「ニュースはみませーん」という答えがかえって来て、「さもありなん」と思ったが、それがそのまま続いている。もう、2年になるが、根気よく「みん日」の勉強を続け、43課まで来た。帰国後日本語を忘れてしまったので、復習からしたいということで「みん日」を使ったし、彼らも大体わかってはいても、疑問に思っていたことを確認しいしい進んでいくのが気に入っているようだ。
この課の会話練習で「日本に来た目的は何ですか」というのがあるが、自由会話で「日本の文化を勉強するために来ました」が作文ではなく自分の本当の希望として言っていたようだ。
「モスクワから東京までどのくらいかかりますか」の会話練習の答えで「10時間くらい」と言っていたが、「早く行けるようになるといいです」とも。
「そうですよね」・・・

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おっかない → おほけなく [日本語教育]

N1の語彙、総まとめ1週2日目 気持ちを表す言葉とあって、「うざい」「むかつく」など、若い人が会話でよく使う言葉もでてくる。

そして「おっかない」が出てきた。
「おっかない」は、「こわい」という意味で、「おっかないお化け」とか「おっかない先生」とか、子供の頃よく使った気がするが、おとなになってからは、ちょっとおどけて「おばあちゃんは、いつもは優しいけど怒るとおっかないよ」とか、友達が大したことがないことについて厳しく批判したりした時に「おお!おっかないなー」と茶化したりするときに使うくらいだったが、ここで、意味を調べてみた。
古語辞典には「おっかなし」(①おそろしい②多いの関東方言、関西では「ぎょうさん」
新明解では「こわい・おそろしい」の口語表現とあった。特に語源は載っていない。

しかし、ネットでは語源として「おほけなし」をあげている人がいた。「身の程をわきまえず、そらおそろしい。」からきているという。「おほけなし」は古語辞典に「身の程知らずである。身の程をわきまえず そらおそろしい」とあって、

まあ、学生に説明するのにこれは必要ないと思ったが、「おほけなし」が気になってしまった。
おほけなし→おほけなく「おほけなく 浮世の民に おほふかな 我が立つ杣に 墨染の袖」 何だか意味が分からないままに 百人一首で丸覚えしていた前大僧正慈円の歌を思い出した。

今回改めて意味を調べて、なるほどと思った。
「おほけなく・・・・・そら恐ろしいことに身の程もわきまえないことだが、
浮世の民に・・・・・辛い浮世を生きる民たちに
おほうかな・・・・・覆ってあげようかけてあげようか
我が立つ杣に・・・・・杣(木を切り出す山―比叡山を表す)に住む私の
墨染の袖・・・・法衣のそでを
つらい浮世を生きる民たちを覆ってやろう。この比叡の山に住む私の、墨染めの袖で。

政情が安定しない鎌倉時代に比叡山から世の中を安定させようとした気持ちを詠んだ歌だったんだと今さらながら納得。暗記してたのに「おほけなく」「おほうかな」があまりピンときてなかった。

N1は予習しているうちに、横道にそれてしまうことが多い。

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