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あげく [日本語教育]

TRY!2
45 苦労したあげく
長い時間がかかったり、いろいろして大変だった後で、どうなったかという結果を言いたい時に使う。良くない結果になったことを言うことが多い。

今まで、よく、「ついに」は色々やって最終的にいい結果になった時、あげくは悪い結果になった時という風に対比させて教えてきた。
でも、今回ちょっと調べ直してみた。

TRYの例文や問題を見るとはよくない結果が多かったが、
③3時間以上迷ったあげく、店員に初めにすすめられたパソコンを買うことにした。
は悪い結果というわけではない。

日本語文型辞典を見ると、悪い結果ではない例文が半分くらいあった。
(4)それは、好きでもない上司のご機嫌を取ったり、家族に当たり散らしたりした挙句
   の昇進であった。
(3)姉は籍を入れないだの一緒に住まないだのと言って親と対立し、すったもんだの
あげくにようやく結婚した。

やはり、ポイントは「長い時間、色々大変だった」ということなのだ。

もともと「あげく(挙句)」は、集まった人たちが順番に五七五、七七、五七五、七七、五七五……と次の句を付けていく『連歌』の最後の七七の句のことで、最終的な結果や結末を意味するようになったといわれる。
連歌のルールとして挙句はあっさりよむか祝言の気持ちをこめて詠むとされるので、悪い結果にはしない。
連歌と離れて「あげく」が使われるようになってから、悪い結果の意味が入ってきたのだそうだ。

「新明解」では「いろいろなことをした最後に行きついた(好ましくない)結果と、どちらでも使えるという説明の仕方だ。

結果がいいか悪いかでより、気をつけるべきことは「あの時、課長とケンカしたあげく、会社を辞めた」のように一度きりの事、短い期間の事には使えないという事だろう。

でも、「一年間、寝る間も惜しんで猛勉強したあげく、難関大学に合格した」という文には何となく違和感を覚える。

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