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ご飯論法 [日本語教育]

毎年、学生達に流行語大賞について話すが、今年はちょっと難しかったのでやめた。
というより、自分でピンときたものが少なかったとも言える。そもそも、我が家で流行していたのはNHK総合の「チコちゃんに叱られる」の「ボーっと生きてんじゃねーよ」くらいだった。
他の言葉はテレビで聞いたことがある言葉ではあるが、流行しているという感じはしなかった。これはうちの娘も同じ。日本語学校の同僚たちも20代の若い先生以外はなじみがない言葉が多いという感じだった。特に「ご飯論法」は?だった。

でも、今回ご飯論法についてネットで調べてみると、なかなか言いたかったことを言ってくれている言葉だと思った。
5月、働き方改革関連法案を巡る加藤勝信厚生労働相の答弁に業を煮やした上西教授が、国会質疑を「朝ごはん」の会話に例えてツイッターに投稿したのが始まりだそうだ。Twitterに縁が薄いわたしは全く知らなかった。

ご飯論法は以下のように論点をずらす論法。
Q「朝ごはんは食べなかったんですか?」
A「ご飯は食べませんでした(パンは食べましたが、それは黙っておきます)」
Q「何も食べなかったんですね?」
「何も、と聞かれましても、どこまでを食事の範囲に入れるかは、必ずしも明確ではありませんので……」
という具合だ。

森友、加計学園問題を巡る説明ぐらいから、こういった傾向が強まってきていて、最近の働き方改革関連法(6月に成立)の法案審議、最近の改正出入国管理法についての答弁も聞いていてイライラした。
こういう気持ちを代弁してくれる言葉だったわけだが、Twitterというメディアに縁のない人たちには流行語大賞が発表されるまで届かなかった。新聞やテレビなどから情報をとるだけでは足りない時代に入ったのだろうか。

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