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井の読み方 [日本語教育]

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年末の茶会は「井心亭」という茶室で行われた。三鷹市にあるこの施設は昭和58年に持ち主から寄贈された茶室を中心とした純和風文化施設で、茶道、華道、歌会などの日本の伝統文化の活動の拠点になっている。汲めども尽きぬ泉のように文化を愛する心が広がってほしいという意味、公募でつけられた「井心亭」という名前は素敵なのだが、初めから「せいしんてい」と読める人はあまりいない。

今回初めてここでのお茶会に参加した人は、皆「いしんてい」だと思っていたそうだ。
「井」の字は「市井(しせい)の人」などで使うように音読みは「せい」ですというと、皆さん納得してくれたが、物知りの若者が『(せいあのけん)の「せい」ですよね。』と突っ込んできた。それ何と聞くと「井の中の蛙大海を知らず」の意味、「井蛙之見」だった。そういわれると分かるが、「井蛙之見」の四字熟語は使ったことがなかった。若い人に教わることも多い。
この度調べてみたら、蛙の音読みは「あ」と「わ」今の中国語に近いのが「wāわ」だ。
井は、井戸枠の形からできた文字、井戸があり水があるところに人が集まり市ができた。市井は人の集まる世間、街中、庶民の意味を表す。

今、井心亭では、お茶会だけでなく、寄席井心亭として寄席なども行われ、予約がいつも満杯だ。それにしても、いい名前を付けたものだと改めて感心した。

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