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呪い まじない のろい [日本語教育]


「まじなう」という言葉を教えた時、私の祖母が言っていた言葉を思い出した。
幼かった私が、すりむいたり、ぶつけたりした時、いたい所をなでながら「ちんとまじまじ ほらのかい 西の風が吹いたら 東の空へ ポーンと飛んでった。」というものだ。 
「ちんとまじまじ」はちゃんとまじなうという意味だと思う。ほらの貝=ほら貝?がなぜ出てくるのかはわからないが、修験者のほら貝かもしれない。「ポーンと飛んでった」と言われると痛くなくなったような気がしたものだ。

今回、「まじなう」を調べていて「呪う=のろう」と同じ漢字を書くことを再認識して、反対の意味の言葉が、なぜ同じ漢字なのか気になった。
漢和辞典で見ると「呪」①呪う 神にのりとを告げて祈る。相手が不吉な目に合うように祈る。(同)祝  とあった。(祝うの字で呪うもあらわすんだ!) ②まじない 道士や方士が唱える文句。転じて悪気や邪気を追い払う文句。②はふつう私たちが思っている「おまじない」の意味だが、普通ひらがなで書いて「呪う」をあまり使わないのは「のろう」という意味がでてこないようにだろう。

同じ意味で「祝」とあったので、「祝」を漢和辞典で引いてみた。「神主や巫女が祝詞をあげる意味から、おめでたいことを祝う意味がまず載っていたが、(二)の意味で「しゅうす」=のろう 悪意を込めて祈るという意味も載っていたのでびっくりした。

呪う 祝う どちらも人力が及ばないことに働きかける意味だ。
漢字の右側の兄の字は頭の大きい人、その人が口を使って言葉を発し神に働きかける象形文字からきているという。どちらも祈祷の祷と同系の言葉で、呪は不幸を祝は幸いを祈るように分けて使われるようになったと書いてあった。

今回出てきた 呪う(まじなう)はどちらの意味にも使われるが、のろうの意味がでないように、ひらがなで書かれることが多いのだろう。簡単な漢字だが教えなくてもいいと思った。


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