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藝と芸 [日本語教育]

親戚の図書館学の先生が本を出すという。
「貢献女帝の遺言―芸亭図書館秘文書」
わが国で初めての公開図書館・芸亭を設立した石上宅嗣、古代の人が図書館に求めた知識とは何だったのだろうかとある。なかなか興味深いものだが、芸亭という名称にひっかかった。芸術?なぜ芸なのか?

そう思っていたらちょうど日経新聞の「遊遊漢字学」というコラムに答えを見つけた。
芸のもともとの字は藝で学問を表す言葉だった。近代になってから西洋からartという言葉が入り、その訳語として藝が使われるようになったそうだ。更に、藝を簡略化するため、上と下の部分を合わせて芸の字を作った。しかし、芸という字は既にあり「うん」という発音で「香りのよい草」を意味した。この草は防虫作用があり、古くから書物を保存する時にこの草を敷き詰めた。このため、最古の図書館に「芸亭」という名がついた。これは「芸亭」は本来は「うんてい」と読むべきものだそうだ。
確かに、漢和辞典には 芸の発音は「うん」藝の発音は「げい」となっていた。
しかし、戦後当用漢字を定める時、藝を芸とすると定めてしまったそうだ。だから、戦後に作られた辞書には芸しか出てこない。
でも、本来の意味を重視する時藝を使うようだ。さすがに東京藝術大学。

因みに中国語での藝の略字は艺、発音はどちらもYìだ。芸はYunという発音で、香草の意味だ。これは、当用漢字が良くないように思った。

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