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寝巻起き巻き [日本語教育]

日経のコラムに「寝巻起き巻き」という言葉が載っていた。この言葉は自分では使ったことがない。しかし、昔、夫の妹が子連れで泊まりに来た時、「起き巻き寝巻」といいながら、子供にパジャマでなく、Tシャツとスエットパンツのようなものを着せていたことを思い出した。「起き」と「寝」の位置が違うが、どちらにしても、寝る時専用のパジャマでなく、普段着として家の中でも着られるようなものをいうものらしい。「寝巻起き巻きよそ行き巻き」といういいかたまであるとネットに載っていた。これは、そのまま、ちょっと外にまで出てしまうということだ。

そういえば、寝巻(ねまき)という言い方も今あまりしなくなった。パジャマ又は寝間着(ねまき・ねまぎ)と使うことが多い。
「寝巻」の巻くは巻き付ける、つまり着物を体に巻き付けることから来ている。昔の寝間着は着物の形をしていたので、寝巻がぴったりだが、パジャマのような服型のものには合わない。そうなると、寝間=ベッドルームできる衣服だから寝間着(発音は「ねまき」でも「ねまぎ」でもいいらしい)がしっくりくる。

巻きつながりで、掻巻(かいまき)という綿入れの着物のような形の布団の事も思い出した。夫の転勤で仙台へ言った時泊まった宿で布団の下にかけるようになっていて肩が暖かく、さすが東北と感じた。着物のように着て帯を締めて、ガウンのように着ることもできるそうだ。掻巻の「掻」は襟元を掻き合わせて巻き付けるという意味だろう。
今回調べてみてわかったのだが、仙台の宿では布団の一種のように見えたが、綿入れの着物「丹前」と同じものを意味するようだ。「丹前」は関東では「褞袍(どてら)」と呼ばれるとも書いてあった。丹前、褞袍、どちらも私が幼いころ、家の中でよく使われていた言葉だ。今回やっと掻巻と結びついた。

掻巻の「掻く」は今回辞書でしらべると、「(頭、あぐら、汗、イビキ、裏、寝首)を掻く」といろいろ使われる面白い言葉だ。そもそも、掻は搔の略字
また、後で調べてみたい。


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