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山川異域 風月同天 [日本語教育]

【新華社重慶2月2日】「山川異域 風月同天」(別の場所に暮らしていても、自然の風物はつながっている。)という漢字8文字が1月31日、中国の交流サイト新浪微博(ウェイボー)で絶賛を浴びた。という記事がネットに載っていた。
日本から湖北省への支援物資(マスクや体温計)の箱に「山川異域 風月同天」のラベルが貼ってあったことが、中国側の感動を呼んだという。
日本に仏教の戒律を伝え、戒律研究の拠点として唐招提寺を作ったことで有名な鑑真和上の伝記に載っている言葉だそうだ。
これはさらに『寄諸仏子 共結来縁』(この袈裟を僧に喜捨し、ともに来世での縁を結びましょう)と続く。
https://www.travel.co.jp/guide/article/31272/
中国・唐代の高僧、鑑真和上の伝記「唐大和上東征伝」によると、日本の長屋王が唐の僧侶に送った千着の袈裟(けさ)のへりに「山川異域 風月同天 寄諸仏子 共結来縁」と刺しゅうされていた。これに心を動かされた鑑真和上が、日本行きを決意したという。

恥ずかしながら、わたしはこの話を初めて知った。長屋王は、藤原氏の陰謀により無実の罪を着せられ、一族もろとも自害した悲劇の人物だというくらいの認識しかなかった。今の教科書はどうなっているのかわからないが、私の記憶では鑑真和上と長屋王の話はつながっていなかったのだ。そういえば井上靖の鑑真を描いた小説「天平の甍」にも登場してなかったような気がする。

今回、この記事を読んで、送った日本側の人も、受け取った中国側の人もすごいなと思った。去年の3月に西安の人たちとお茶の交流会があった。その時中国では、唐の都を見たければ京都へ行けといわれているという話を聞いた。西安では明の時代の建物が最古なのだそうだ。奈良の唐招提寺も同様に中国人が往時をしのぶために、よく訪れるそうだ。今の共産党独裁の中国にはいろいろ問題があるがこのような漢文がつなぐ日中の絆というものは確かにある。

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私たちは日本語を教えるかたわら、教科書作り、日本文化の紹介等の活動もしています
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