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仝上   同上 [日本語教育]

父が残した古い文書を整理していたら、仝校卒業という記述が出てきた。
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同校と同じ意味だとは分かったが、最近使っていない字だと思った。夫に聞くと「仝上」は
「同上」の代わりに会社の書類などでよく使うという。
IMEパッドの手書きをしてみてもこの字は出てこなかった。漢和辞典には人偏の5画にあり、同と同じという説明があった。
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IMEパッドで出てこないのは、日本語の文字をPCで書き表すためのShift_JISに含めなかったからだそうだ。JISの記号の場所に分類されている。々、ゞなどと同じ扱いだ。
ウィキペディアでも、踊り字扱いになっていた。
しかし、文字コードの国際的な業界標準の一つUnicode ではCJK統合漢字という漢字の分類の場所に入っている。
この違いが面白い。
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中国語の辞書では 人部でなく、入部に入っている。(ちなみに日本語では入部の仝は「同」ではなく全の略字になっていた)
中国語の辞書には「同の略字」の他に「人名漢字」としても載っていた。調べてみると「8世紀後半から9世紀前半の中唐の詩人、盧仝(ろどう)がいた。陸羽と並んでお茶の聖人と呼ばれる人だそうで「七碗茶詩」でお茶の心を詠んだ。これも、後で調べてみたい。http://japanese.china.com/travel/recommend/393/20141203/225066.html

確かにこれは、記号ではなくて漢字そのものだ。
IMEパッドでは出てこないが、同上と打ち込むと最後の方に仝上が出てくるのは、夫が言うように、会社や役所などの固い文書にはよく使われているからだろう。
でも、学校で同僚に聞くと今日の人は全員見たことがないと言っていた。30代と50代、学校では使わない漢字?


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