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岩乗 [日本語教育]

八月になると半藤一利の戦争関係の本を取り出すことが多い。なんとなく読み進むのが辛くなってなかなか読破できないが。
「日本のいちばん長い日」の中の8月15日の宮城占拠事件・・皇居で一部の陸軍省勤務の将校と近衛師団参謀が中心となって起こしたクーデター未遂事件・・・の際、天皇が国民に終戦を告げた「玉音放送」の原盤を隠した地下室の記載に「(階段を)降りきった地下室の入り口には岩乗な扉がついていた」とあった。
頑丈という意味だとはすぐ分かったが、今まで見たことがなかった漢字だった。

新明解などには出ていなかったが、古語辞典には載っていた。
岩乗・・ガンジヤウ(強盛)の転。岩畳 五調 四調 などとも書く。①人や物のすこぶる強健なこと ②馬の特に強健なこと
とあった。 人や物と馬をなぜ分けるのかが疑問だが元の字は今と違うことが分かった。

Goo辞書など・を見るともう少し詳しかった。
・・(引用)
岩乗(ガンジョウ)・岩畳(ガンデフ)などと書かれた。(3)頑丈は明治以後の用字〕
[補説]中世・近世には「岩乗 (がんじょう) 」「岩畳 (がんでふ) 」「強盛 (がんじゃう) 」などとも書いた。もと、名馬に仕上げるための五つの条件の意の「五調 (がんでう) 」から出たとされるが、「強盛」の音変化とする説もあって、語源・歴史的仮名遣いは未詳。
☆蹄、性質、体格、血統、生産地の五つが五調 一つ足りないのが四調だという。
上に書いた頑丈の説明で馬と人を分けることとも関係があるかもしれない。

明治以降は「頑丈」が使われているそうだけれど、この本で「岩乗」をわざわざ使ったのは、宮内庁の中の話だからだろうか。
 読書がストップしてしまったが、今週中には読み終わり、「ソ連が満州に侵攻した夏」に移るつもり。ウクライナが重なってくる。

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