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窈窕梅林 [日本語教育]

先週水戸の偕楽園に梅を見に行った。コロナ騒ぎで「梅まつり」は中止だったが、幻想的なライトアップもあり楽しめた。
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偕楽園から常磐線の線路を挟んで反対側にも梅林がある。偕楽園本園の見晴広場から見下ろすことのできる「田鶴鳴梅林(たづなきばいりん)」「猩々梅林(しょうじょうばいりん)」,「 (ようちょうばいりん)」の三つの梅林だ。偕楽園の梅林より広々としていて、木も、あまり曲がりくねったものが少ない若い木が多いような感じがする。

梅園の名前だが「田鶴鳴梅林」は、昔ここに鶴を放して飼っていたのでつけられたという。
「猩々梅林」は紅梅が多くてとても華やかだ。それで、「猩々緋」という赤系の色の名前を付けたのかと納得していたら、説明には光圀が中国の詩人陶淵明の像を祀るお堂を建て、堂の壁に猩々の絵を描かせたので、別名「猩々堂」とも呼ばれていた故事にちなんで名付けたものとあった。

そして窈窕梅林、この字は初めて見たと思う。窈の字が窃に見えて、不思議な名前だなと思ってしまった。
家に帰って辞書をを調べると、新明解には「世間ずれがせず上品で美しい様子。窈窕たる美女。」と書いてあった。
初めて見るような気がした。でも、梅林の名前に付けるくらいなだから、よく使われていた言葉なのだ。ちょっと恥ずかしい。

漢和辞典を調べると
窈も窕も穴冠だ。穴には奥深くてよく見えないとかか細いの意味がある。か細いという意味も含む。まさに、深窓の令嬢という雰囲気だ。どちらも形成文字で「幼」と「兆」は漢字の音を表すが、幼にも幼いというだけでなくか細い意味もある。

窈窕は正に梅林の美しさを表した言葉だった。水戸の梅見勉強になりました。


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