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茶を焙じる [日本語教育]

茶道の勉強会でほうじ茶のお点前を習った。お茶をお客の前で焙じてもてなすということは江戸時代の上級武士の間で流行していて、江戸末期にハリスとの通商交渉を円滑に行うために井上信濃守清直がほうじ茶手前でハリスをもてなしたという記録もある。http://www7a.biglobe.ne.jp/~ikka/harrisnotyadougu.pdf
その時のやり方に倣って、茶葉を奉書紙を折って包み、竹の棒の先に挟んで風炉の火で焙ってほうじ茶を作る実習をした。
houroku2.png

焙るといい香りが漂ってくる。が、突然「焦げた!」と若い女性がいったので、みんなびっくりして、そのあと大笑いになった。
電熱器の風炉だったせいもあって、その女性は電熱器の赤くなっている部分に紙を当ててしまったそうだ。ほかの人は何とか茶を焙じることができて、そのあとは広間で正式のお点前をした。

後で、何故女性は赤くなっている部分の紙を当てたのか?と思った。聞いてみると赤いところにあてなくちゃ焙じることができないと思ったそうだ。そして、確かに紙だから燃えますよねと笑ってもいた。

焙じるとはどうすることかなと、改めて思って、帰ったから調べてみた。

焙じるは 音読みはバイ 訓読みは あぶる ほうじる
もともとは丸い器に茶などをいれて熱する。ほうじ茶の他に、コーヒーも焙煎する。この丸い器は焙烙(ほうろく)という名前がある。(炮烙とも)
これだと、入れ物は火にくっつけているから紙でない場合は正しいことだ。
houroku.png    (焙烙の烙の字は烙印を押すなどの様に火で熱した鉄を肉に押し付ける、または熱した鉄板で焼くの意味)

炮「あぶる」は、火鉢で手をあぶる、海苔は少し火であぶるとおいしくなるど、火から離して熱している。火あぶりの刑などもこの字だ。

炙「あぶる」は、肉を表す「肉月」の下に火の字がある。象形文字のままで分かりやすい。
肉を火にかざして熱して炙り焼きをする意味だ。

当たり前の話だが、茶を紙で茶を焙じるなら焙った方がいい。


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私たちは日本語を教えるかたわら、教科書作り、日本文化の紹介等の活動もしています
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