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を直撃する に直撃する [日本語教育]

「走行中のダンプカーから外れたタイヤが、歩道を歩いていた男性(45)を直撃した」
「大型トラックのタイヤが外れ歩道を歩いていた男性に直撃した事故」

最近このような事故が問題になっている。事故も気になるが、「~を直撃」「~に直撃」の書き方が気になった。アナウンサーの言い方でも、半々ぐらいで聞かれる。NHKと民放の違いもない。

私としては、意図はなくても害を与えた場合は「~を直撃」がぴったりくる。
たとえば
「台風が九州地方を直撃した。」
「倒れてきた木が車を直撃した場合、車両保険で補償されるのか? 」
「日本経済を直撃する「景気悪化」のリスク」

一方、害があまりない場合は「に直撃」でいいような気がする。
「傘を差した男性に雷が直撃するも奇跡の回復」
「渋谷女子高生に直撃☆○○の意味わかりますか
「だれだれに直撃インタビュー」
ここで「○○の問題が持ち上がっているだれだれを直撃インタビュー」という風に問題の内容にするどく突っ込んでいく場合は「を」を使うかも。

でも、これは個人的感覚なので、あまり自信がない。

タイヤの話も同じだ。「10年位前のトラックの左側車輪は逆ネジが標準JIS規格、規格が変わってISO規格左側と同じ方式のネジになった。左側のネジは車輪の回転と逆転することになって緩みやすくなった。左車輪の脱輪事故が増えた。」という説があるけど、どう思うと「自動車整備士」の資格を持つ息子に聞いたら、「一概には言えない。むしろスタッドレスタイヤに取り換えたりした時や日常の整備でのネジの締め方が甘いというのが大きな原因じゃないか」という話だった。

これもよくわからないようだ。

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私たちは日本語を教えるかたわら、教科書作り、日本文化の紹介等の活動もしています
私たちのホームページは以下のサイトに引っ越しをしました。。
http://www.tomo2006.net/learn.htm
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茶道のお点前 [日本語教育]

茶箱.png今、茶道のおけいこで「茶箱」というのをやっている。お茶をたてる道具一式を箱に仕組んでそれを取り出すところから、しまうところまでがお点前になっている。

中国、韓国をも含む諸外国のお茶をお客に出す作法と日本の茶道の作法が大きく違うのはお茶を出してそのあと仕舞うところまでがきっちり決められていることだそうだ。紅茶やコーヒーの作法というものは知らないが、おいしく入れる入れ方が色々あることはテレビなどでやっているのをよく見る。しかし、おいしく入れてそこで終わりなのだと思う。
中国や韓国のお点前は現地で何度も見たことがある。茶碗や急須をはじめ様々な道具立ては美しくて素晴らしいし、派手で美しい作法が目を引くが、最後に茶碗を洗う動作、茶殻やすすいだ水を捨てる容器などにはあまり気を使っていないという印象を受けた。お点前としては、やはりお客にお茶を出してそこで終わりだ。

日本の茶道では、お客にお茶を出した後、釜にお湯を足して次に使う人が困らないようにし、使った道具を片付けて元の通りにする(美しい道具なら飾り付けて変化を楽しませたりする)片付けるしぐさも美しい動きになっていてお客はそれを楽しめる。世界中のお茶のおもてなしで仕舞う動作まで入っているのは日本の茶道だけだそうだ。仕舞うという漢字もうつくしい。
いい悪いは別として面白い違いだ。

茶箱は外国旅行にも持っていきやすい。コロナが収束したら、教え子の故郷スエーデンに行って,
そんな話をしながら茶箱のお点前を披露してこようと思っている。(共通語の英語を頑張る必要もある(-_-;)

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正hyosi.png 茶箱は外国旅行にも持っていきやすい。コロナが収束したら、教え子の故郷スエーデンに行って茶箱のお手前を披露してこようと思っている。
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オミクロン株が広がらない前に? [日本語教育]

テレビで
「オミクロン株が広がらない前にできるだけの対策を・・・」とかいう言葉か聞こえてきた。「オミクロン株が広がらないうちにできるだけの対策を・・・」の言い間違えだろうが、コメンテーターの気持ちとしては「オミクロン株が広がらないように前もって対策をという」気持ちなのだろうかと思った。

「~うちに」はN2文法・
今の状況が変わる前に(~する)
「広がらないうちに」は「広がる前に」と同じ意味だ。
そして、「~ないうちに」というように「ない形」に接続するという風に教える。


「うちに」「前に」を調べていたら、古文の「先」の使い方が出てきた。
七草がゆを作るとき野菜を刻みながら歌う歌
「唐土の鳥が日本の国へ渡らぬ先にトントン」
(中国からの渡り鳥が)渡って来る前に・・・渡ってこないうちに
又、ことわざ「転ばぬ先の杖」・・・ころぶ前に用意しておくべき

古文では「・・・ぬ先」=「・・・ない前」と言っているわけだ。

<渡っていない状態(先)→渡った状態(後)>とする
渡らぬ先(渡らない前)=「渡っていない状態である、それにあたる前の時間」
=渡る前に と同じ意味

<転んでいない状態(先)→転んだ状態(後)>とする
転ばぬ先(転ばない前)=「転ばないという状態である、それにあたる前の時間」
=転ぶ前に と同じ意味

<ネットの記事>
「然るに一方三菱の研究所を途中にして飛出した島田氏は自己の発明に精進し三菱が其の理想とするものを完成せざる前に大正十一年には既に特許権二十八を獲得したと云う」大阪時事新報 1929.9.17-1929.9.18(昭和4)・・完成する前に

私の記憶にも
 「暗くならない前に帰る」と言っていたこともあるような気がしてきた。
<ネットの記事>
こちらの法文では平成7年に昔の言い方から現代語に変えている。
「未だ官に発覚せざる前」(刑法42条1項)(平成7年度改正後の条文では、「捜査機関に発覚する前」)に自己の犯罪事実を官に申告すると言うのは、申告の完了時点と第三者による申告時点とを機械的に比較することか、申告を開始した時点と申告完了までの諸事情を総合勘案して決すべきか。

N2の勉強では
「オミクロン株が広がらないうちに」が正しいとしっかり教えよう。

もう一つの問題は次回に
この薬はご飯を食べる前に飲んでください。〇
この薬はご飯を食べないうちに飲んでください。×


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かまくら [日本語教育]

kamakura.png
冬休みに息子夫婦が北海道のお嫁さんの実家に帰省した。空港まで車で迎えに来てもらい、家からはどこへも出かけないことにしたそうだ。でも、雪がたくさん降り、孫たちがかまくらを作ってもらって大はしゃぎの写真がLINEで送られてきた。自宅の庭で「かまくら」やそりで滑るスロープがあるのは北海道ならではのスケールだ。
(かまくらは本当は小正月に水神様を祭る雪国の伝統行事だが、ここでいうかまくらは水神様は祭らず子供たちの遊び道具として雪の家を作ったものだ。)

「かまくらってそういえばどんな意味」とLINEの写真を見つつ、お節をいただきながらの話題になった。
「鎌倉ではないよね、お釜のかたちの倉?」

新明解を引くと
「(窯倉の意)秋田県横手地方などで小正月に大雪の降った路上に雪で窯に似たものを作り、その中で子供たちが物を持ち寄って食べたり何かをして遊んだりする行事。またはそのもの」と私たちが何となく考えていたことが載っていた。

しかし、ネットで調べるとかまくらで有名な横手市の観光協会のホームページに色々と由来が書いてあった。https://www.yokotekamakura.com/event/3-5/
「左義長といわれる旧正月に正月の飾り物を燃やす行事に「鎌倉大明神」が付帯しており、古い書物にかまくらの側に鎌倉大明神の旗が立てられている絵があり、鎌倉大明神を祀ったと書かれていたことから、「鎌倉」を語源とする説もある」と。
鎌倉説もあったのだ。でも、鎌倉大明神というのはいくら探しても出てこない。稲荷大明神はあるが・・・鎌倉大明神の旗というのが謎だ。もう少し、調べてみたい。

名前はともかく、孫たちは積雪の多い北海道の広いお家の庭で「かまくら」や「雪山滑り」の貴重な体験をさせてもらったようだ。

追記:
「鎌倉大明神というは、後三年(ごさんねん)の役(えき)(注2)に活躍した鎌倉権五郎景政(ごんごろうかげまさ)(注3)のこと。景政は関東から戦の応援に来ていた人なのですが、武士の気概にあふれた人物として祀られたのでしょう。昔の絵図には、左義長のときに鎌倉大明神の幟(のぼり)を立てていた様子が描かれています。」
ミツカン水の文化センターhttps://www.mizu.gr.jp/kikanshi/no45/05.html より

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