SSブログ

入り込んでいた・上がりこんでいた [日本語教育]


同僚のクラスのテストで
「家に帰ったら部屋の中に猫が(はいりこんでいた・あがりこんでいた)」カッコの中のどちらかを選ばせる問題。
多くの学生が「はいりこんでいたを」選んだし、それが正解ということになっていたが、同僚は納得がいかないと言っていた。

猫の場合、特にそれが自分の飼い猫の場合だと、「上がりこんでいた」のほうがしっくりくるという。
確かに日本の住居では上がる動作があるので、家に入るのを、「家に上げる」とか「よその家に勝手に上がりこむ」という言い方をする。
外国の靴のままで入る家なら「入り込む」しか使わないだろう。

どんな時「上がりこむ」なのか、考えてみた。
動物でも虫や鳥など蛇などは入り込むというと思う。
犬や猫でも飼い犬飼い猫の場合は、少し家族のような擬人化したような意識があって「座敷にあげないようにしているのに、上がりこんだ」と言っていると思う。また、擬人化した場合は知らない猫でも「ちゃっかり上がり込んでいた」というような気がする。野生動物では狸とか狐など擬人化しやすいものも。
入ることは普通ありえない大きな動物、牛、馬、象などは、もし入ってしまったら「入り込む」だろう。

「上がる」と「上がり込む」に違いだがでは、「込む」を使うと「無理に押し込む」感じがして、「上がられると困る」「上がることを歓迎しない」という雰囲気が出る。

ネットで調べていると「母がとか、義母が勝手に家に上がり込んで困る」という文がたくさん出てきて笑ってしまった。






********************************************
私たちは日本語を教えるかたわら、教科書作り、日本文化の紹介等の活動もしています
私たちのホームページをご覧ください。
http://www014.upp.so-net.ne.jp/nbunka/learn.htm
正hyosi.png

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:学問